口腔内3Dスキャナー『iTero element』について

当院では、口腔内3Dスキャナー『iTero element(アイテロ エレメント)』を導入しています。

口腔内スキャナーは、口の中をセンサーでスキャンして、3Dで歯並びを見ることが出来る装置です。

itero element

itero element

モニターの右側にあるスキャナー部を歯にかざして読み取っていきます。

スキャンは、5~10分で終わります。患者様は口を開けているだけで大丈夫です。

口腔内スキャン

スキャン中の様子

読み込んだデータは3Dデータで保管され、いつでも見ることが出来ます。

3Dですので、様々な角度から見ることも可能です。

scan date

スキャンした3Dデータ

今回は、この口腔内3Dスキャナーの3つのメリットを説明したいと思います。

メリット.1 自分の歯並びが、その場ですぐに確認できる

スキャンにかかる時間は、5~10分程度。その後、数分でデータが処理されモニターで確認できます。

スキャンデータ正面

実際にスキャンしたデータ

口腔内スキャンデータ

上下の歯並びを別々に見ることもできます。

様々な角度から見ることで、現在の歯並びの状態を正確に確認できます。

また、必要に応じて、治療中の進行を確認したり、治療後の比較にも使用します。

今までわかりにくかった部分が、見えるようになり、より安心して治療を受けることが出来るようになりました。

メリット.2 治療後の予測を目で見ることが出来る

当院で導入している『iTero elemnt』では、治療後のシミュレーションも確認できます。

シミュレーションには、スキャン後にすぐその場で見ることが出来る簡易シミュレーションと、歯科医師がCT、レントゲンから診断した骨格や歯列の分析をもとに作成する正確なシミュレーションの2つがあります。

治療シミュレーション

簡易シミュレーション(右が治療後の歯列)

上の図は簡易シミュレーションですので、咬み合わせが治りきっていない部分もありますが、パッと見て治療後に自分がどんな歯並びになるのかイメージしてもらうには十分な効果があります。

治療するかどうか悩んでいる方に最適だと思います。

正確なシミュレーションは、実際に治療を始める際に再度行います。

また矯正治療では、歯を抜くこともありますが、歯を抜かない場合(下図の①)と抜く場合(下図の②)も治療前に比較できます。

治療後シミュレーション1

シミュレーション①:抜歯しない場合

治療シミュレーション

シミュレーション②:抜歯の場合

上のシミュレーション②では、左側の色が変わっている部分が、抜く予定の歯です。

歯を抜く場合、抜かない場合の違いは、今までも説明と同意のうえで方針を決めていましたが、

実際に目で見えるようになり、より納得して治療を始めることが出来るようになりました。

複雑な形状をしている歯の咬み合わせも事前に確認できるので治療方針の精度も上がりました。

メリット.3 3Dデータから矯正装置が作成できる

当院で使用する矯正装置は、3Dデータをもとにコンピューター上で設計して作成します。

デジタル処理で作業を行いますので、アナログで作っていたものと比べ、精度が上がりました。

とくに、マウスピース矯正では、治療結果に差が出るほどフィッティングが良くなっています。

また、3Dデータで装置が作成できるようになった最大のメリットは、従来の歯の型取りが不要だということです。

歯の型取り

シリコンで型取りしたもの

お口の小さい患者様や、嘔吐販社の強い患者様は、従来の歯型取りは大変でしたが、口腔内スキャンでその負担を減らすことが出来ます。

当院で3Dデータから作ることが出来る装置をご紹介します。

ラビアル矯正 『INSIGNIA(インシグニア)』

insignia

ラビアル矯正の装置

当院で使用している審美ブラケットを付ける位置を、シミュレーションした模型上で事前に決めることが出来ます。

特徴は、3DCT(レントゲン)のデータも使用して歯根の向きも含めた治療予測が立てれることです。

使用するワイヤーも患者様ごとに最適な形状に設計して作成します。

 

マウスピース矯正 『invisalign(インビザライン)』

インビザライン

インビザライン

全世界で一番普及しているマウスピース矯正装置です。

口腔内3Dスキャンとは一番相性のいい装置です。

作成した治療ゴールに合わせて、数枚~数十枚のマウスピースを作成し治療していきます。

 

・リンガル矯正『WIN system(ウィンシステム)』

win_system

舌側矯正装置

歯の裏側は、個人ごとに違った複雑な形状をしているため、装置作成時の誤差は治療結果に影響が出やすいです。

WIN systemでは、3Dデータから装置作成をできるようになったので、装置作成時の精度が向上しています。

インシグニアと同じく、使用するワイヤーは最適な形状に機械で曲げて作成されます。

 

まとめ

今回は口腔内3Dスキャナーについて3つのメリットを説明しました。

治療の精度を上げるだけでなく、患者様とのコミュニケーションツールとしても効果のある口腔内スキャナー。

当院では、治療を受けるすべての患者様に導入しています。

 

口腔内スキャナーについて、地域情報誌『PIPO(ぴぽ)』7月号にも掲載しましたので紹介します。

PIPO(ぴぽ)7月号 掲載【Dr.野口の笑顔をあなたに! Vol.3】

『矯正治療にもデジタル化の波が!』
この10年でスマートフォンは驚きのスピードで普及し進歩しました。まさにパソコンを手のひらに持ち歩いているような感覚です。 インターネットが普及し、情報の共有化が進んだ現代は、過去に類を見ない速度で様々な分野の技術革新が起こっています。

歯科の分野でも、デジタル化が進んでいます。特にここ数年、注目されている技術が『口腔内スキャン』です。これは、今まで粘土で行っていた歯の型取りを専用のスキャナーで行うものです。カメラで撮影するように歯列を光で読み取っていき、立体データにします。 嘔吐反射があったり、型取りが苦手な方も楽に行えます。

また、最大のメリットは『治療後の歯並びを、患者様と一緒に確認できること』です。 スキャンした歯列のデータは、パソコン上で一本一本の歯に分けます。これらを最適な位置に並べ、理想的な歯並びを作成します。これにより、歯科医師は精度の高い治療計画を立てられるようになりました。 患者様は、治療前に術後の歯並びを目で見ることができるので安心ではないでしょうか。 口腔内スキャナーは、まだ一部の医院でしか取り扱っていません。 興味のある方は、矯正専門の歯科医院にてご相談ください。

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